さてさて、最初のブログで「アルペジオはスケールとウォーキングベースの基礎となる」としておきながら、その解説をしていなかったので、今回はスケール及びアルペジオからウォーキング・ベースのラインを作っていきましょう。
ルートからルートへ繋げるのがウォーキングベースの基本
ウォーキングベースは、所謂ジャズのベースラインの基本中の基本、そして、4ビートジャズにおける全てと言っても過言ではないものです。
ウォーキングベースは、要は4分音符でベースの音を刻んでいくもの、4/4拍子なら1小節に4音、3/4拍子なら3音etc...といった具合に、どんなにコード進行が複雑になっても、どれだけ曲のフォームが長くなっても、これだけは決して変わりません。
という事は、ウォーキングベースが弾けるようになれば、コード進行を知っているジャズの曲のベースラインは(テンポとかを抜きにすれば)弾ける、という事にもなるんです。
そう考えると、曲によってベースラインが変わらないジャズは意外と単純ですね(勿論、曲によっては指定のベースラインがあったりもするので、一概には言えませんけどね)!
そしてそのウォーキングベースの組み立て方を考える上で便利なのが、
「いかにコードとコードのルート同士をスムーズに繋げていく事が出来るか」
という事です。
これもまた例外的なラインはあるにせよ、ウォーキングベースはそれぞれの小節のアタマにルート音を弾く事を基本として考えて、要はそのルート音から次のルート音の間の3音(4/4の場合)をどうやってスムーズに繋げていくか、という事なんですね。
ここで、ルートとルートの間の音を繋げていくためのアプローチとして、
・スケール的アプローチ
・アルペジオ的アプローチ
の2つのアプローチをそれぞれ考察していきましょう。
「スケール的アプローチ」
これは、ルートとルートの間の音を、クロマチックの半音(パッシング・トーンなど)を使ったりしながらなるべくスムーズに繋げていく方法です。
例えば譜例のように、Cm7からF7に向けて弾く時には、スケールの中からの音+パッシング・トーンでスムーズに音を繋げていく、という事になりますね。
「アルペジオ的アプローチ」
これは、ルートとルートの間の音を、スケールではなくアルペジオを使おう、というアプローチです。
譜例ですと、ルート、3度、5度の音を弾いた後にそれぞれパッシング・トーンを使って次のルートに繋げています。こちらの方が、音のインターバルが大きくなるので、音の跳躍が増えますね。
大まかにこの2つのアプローチを使って、ウォーキングベースを作っていきましょう。
この譜例では、最初のAは全てスケール的アプローチ、次のA'はアルペジオ的アプローチでベースラインを作っています。
BとCで、その2つのアプローチをミックスしているので、B以降の方が実際に弾くラインに近いですが、AとA'もエクササイズ的な意味で是非分析しながら弾いてみて下さい。
譜面の中では、8小節目のG7を分解して|Dm7(b5) G7(b9)|にしてみたりなど、ドミナント7thのコードをii-Vに分解している所もありますし、括弧書きしてあるようなリハモ?とまではいかずとも、違うコードを仮定して弾いている所もあります。
このように、慣れてきたら同じ曲の中で自分でリハモしたり、演奏者毎のパターンの違いに合わせて演奏出来るようになると、幅がぐっと広がります!
慣れない頃は、自分でウォーキングベースのラインを書き出してみたり、好きなベーシストのラインをコピーしてみると、自分の中でラインを噛み砕いて理解しやすくなるので、オススメです。
ウォーキングベースの中に3連やレイキングなどを混ぜながら弾くのもかっこいいですが、1小節の中に4音(4/4の場合)というのは、今後全てのジャズのベースラインにおいて基本であり、最重要となる事ですので、じっくりと時間をかけて、かっこいいウォーキングベースのラインを弾けるようになりましょう!