大変お久し振りです。
前回のブログの更新から、約1年ほど時間が空いてしまいました。皆様お元気でしょうか。
有り難い事に、レッスンのお問い合わせも増えて来たり、レッスン以外の演奏やレコーディングも増えてきたりして、日本に帰国して3年目の半分を過ぎたくらいですが、充実した日々を送っております。
日々の演奏やレッスンの中で、最近特に自分の目指しているベーシスト像がはっきりとしてきたので、これは忘れないうちにちゃんと記録として言語化して残しておこうと思って、久々にこのブログを書いています。笑
大変有り難い事に、最近のライブやレッスンで「細谷さんを見に来た」とか「細谷さんのレッスンを受けてみたい」と言ってくださる機会も少しづつですが増えてきたので、少しでもそういう方の参考になれば。。。
という事で、早速本題に入ります。
結論を言うと、
そこにいるだけで皆が安心するベーシスト
が今の僕の理想のベーシスト像で、これから目指していきたい自分のベーシスト像です。
これだけ言っても、何のこっちゃ?という感じだと思うので、これからちゃんと説明していきます。
おそらく、僕のパブリックイメージって、
・速弾きの人
・難しいスケールをたくさん使う人
・変拍子(=変態)
・長〜〜い譜面読んでそう
という感じだと思います。
どれもこれも間違っていないのですが、まがいなりにもベーシストなので(笑)ソロを弾いている時間よりも、ベースラインを弾いている時間の方が圧倒的に長いです。
ソロを弾く時の話は今回は触れずに、ベーシストとしての自分を考えるとして、
僕がアンサンブルの中でベースを弾く際にいちばん大事にしている事というか、心がけている事は、
・いかにアンサンブルの中の「背骨」というか「支柱」になれるか
・いかにドラム/コード楽器/メロディーを繋げる橋渡しになれるか
という事です。
サッカーで言うと(僕は完全にサッカーに関してはにわかファンですが)最終ラインを統率してディフェンスに安定感を与えて、FW、MFが気持ちよく攻撃に行ける(そしてたまにゴールも決められる)センターバック的なポジション、
僕の大好きなF1のマシンで言うと、エンジンのパワーをクルマへ効率良く伝えられる壊れないギアボックス的なポジション
のつもりで演奏しています。
文章で書くとかっこいいかもしれませんが、こういう役割って本来はとても地味だと思うんですよね。笑
ベーシストあるあるだと思いますが、一般の人には「ベースって結局何をやっているのかよくわからない」と言われるような、なかなかスポットライトの当たらないポジションではあると思います。
僕も昔はベースラインを弾いている時も音数が多かったのですが、最近は大人になったのか(笑)ラインを弾いている時は音数はそうでもない、むしろ少ない方なのでは、と自分では思っています。
その代わりに、アンサンブルの中で僕が意識してコントロールしているポイントが昔と違ってきていて、
・どうやったらその時の最適なラインが弾けるか
・ソリストが弾きやすい(吹きやすい)か、シンガーは歌いやすいか
・良いタイム、良い音色で弾けているか
という事の方に意識を向けている事が多いです。
ベースって、演奏している内容はほぼ単音ですし、それも低音域なのであまり目立たないのですが、その一音のアンサンブルの影響力たるや恐ろしいものがあって、コードや、下手したら曲の構成まで変えてしまい兼ねない大事なポジションだと思っています(勿論、ベースだけでなく他のパートもアンサンブルの中では等しく重要ですけど!)。それだけ責任感と充実感のある、所謂「裏ボス」的ポジションだと思っているのですが、それだけに、バンド内にビシッとした筋を通して、共演者に安定感と安心感を与えられるような存在を目指していきたいな、と最近は常々思う訳です。
心理としては、ここは俺に任せて皆はとにかく遊んでくれ!というか、何があってもサウンドさせるから大丈夫!というか。
ちょっと前までは「細谷さんがいると、何か分からないけどバンドの調子が良いんだよな」と言われるベーシストになりたい、って思っていたのですが、きっとこの「何か分からないけど」の具体的な内容が、これまで書き記してきた内容のものなんでしょうね。
幸いにして僕はテクニックに恵まれて、パッと聞くと派手な演奏をするタイプに見えると思いますが、今の時点では、ベースを弾く上ではそれはどうでもいいかな、と(笑)。ソロに於いては僕の強みの一つだと思うので、存分に使わせてもらいますけどね。笑
それよりは、アンサンブルの中の最適な位置にいて、バンドに安定感を供給する、という意識で日々弾いております。最近ちょこちょこ「鬼」と言われる事が多いのですが、心は「菩薩」なんです。菩薩の心で演奏しているんです。笑
そういう事全てを含めて「皆が安心するベーシスト」を目指しているんですよね。

という事で、長くなりましたし、今後変わっていく事もあると思いますが、以上が現時点(2019年3月)で僕の理想とするベーシスト像です。
具体的に誰がいちばん近いんだろう……と考えた時に真っ先に浮かぶのは、演奏のタイプは違いますが、やはりアンソニー・ジャクソン氏でしょうか……?あの存在感と安定感、そして、昔の演奏を聞くとかなりぶっ飛んでいる。コントロールされたカオスというか(自由とカオスの精度を上げる、というのは最近の僕自身の課題でもあります)。
僕が普段、自分の練習のゴールだったり、生徒さんに「まずは弾きたいものがあって、それを再現する手助けとなるのがテクニックだったり音楽理論」と口酸っぱく言っているのは、自分の意識を純粋にアンサンブル持って行って、その瞬間の自分の弾きたい最適な音を無意識下でもストレスなく弾けるようにしたい、という事なんですよね。
今回サムネイルに使わせて頂いた写真は、いつもお世話になっている代理店over the fieldの越野氏から頂いたのですが、割とこういうイメージでいたいんですよね。冷静と情熱の間、心は熱いけど頭はクール、演奏している事は熱いけど自分の中では全てがunder control、みたいな。
まだまだ思うようにならない事も多いですが、だからこそ音楽は面白いものでもある訳です。今後も自分の理想像に近づけるように精進して参ります。
最後までお読み頂きありがとうございました。